【私が考えるものづくり】西成 活裕 東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 准教授 数学で闘う

 小さいころ家の中を歩いてたら,下に落ちていた物が足に刺さったんです。パッと取ったらICでした。父が工作好きだったもので,部品や工具が家にたくさんあったんですね。痛かったけど,このゲジゲジみたいなのは何だろうって興味を持った。それが高じて小学校2年くらいの時,部品を買ってきて自分でラジオを作りました。
 その時,初めてオームの法則を知りまして。電圧=抵抗×電流という,あの式です。またもや強烈な興味がわいて,父に「この式,何で成り立つの?」って聞いたら「理屈まで知らん。難しいんだ」と言われ,それならと,自分で本屋に行って調べまくりました。(以下,「日経ものづくり」2009年2月号に掲載)