【速報】中空形状の樹脂成形が容易に 住友大阪セメントなどが特殊中子で

 住友大阪セメント,稲畑産業,アイ・アンド・ピー(本社埼玉県東松山市)の3社は,特殊中子を使った射出成形で,中空形状やアンダーカット形状などさまざまな複雑形状を実現できる「ロストワックス精密樹脂成形法(Lost Wax Injection Molding:LWIM)」を共同開発した。例えば,鈴のような大きな中空空間を持つ形状を一体成形できる。図は形状自由度の高さを示すために,鈴にパイプを通した形状をポリカーボネートで成形した試作例である。
 「特に,気体や液体などを流す配管や継ぎ手といった流体関連部品で,高精度・高信頼性が求められるものに適している」と,住友大阪セメント建材事業部技術開発グループ チームリーダーの小堺規行氏は説明する。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

図●LWIMの成形手順
図●LWIMの成形手順
開口部が底部の1カ所で,内部を貫通するパイプまでを一体成形した鈴形状の試作例。まず中子を射出成形で製造(a)。次に製品を成形する金型に中子をセットしてインサート成形(b)。最後に中子を溶かして除去し,製品が完成する(c)。