雑誌 特集

匠からのメッセージ

田野倉 力
2008/11/29 16:22
 

【特集】匠からのメッセージ


【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

「ものづくりに関する原理や原則を理解していない技術者が増えている」「問題解決能力の不足が表面化してきた」「長期的な人の育成よりも,目先の業務が優先されている」─。このような危機感を抱いている人は少なくない。
 「ものづくりは人づくり」とはよく聞く言葉だ。人づくりの大切さを否定する人はいないだろう。しかし,製造業を取り巻く環境の厳しさが増すばかりの近年,人づくりに対する取り組みが機能不全を起こしているという実態が,冒頭で紹介した危機感の背景にある。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

 

図●機械工業と匠
図●機械工業と匠
効率化という名のフィルタによってものづくりの原液からムダを排除している機械工業に対して,原液を煮詰めて凝縮し,結晶となったのが匠の姿だ。


【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 現存する世界最古の木造建築・法隆寺。名棟梁として今も語り継がれる西岡常一(1908~1995年)は,その修繕などを代々手掛ける家に生まれた「法隆寺大工」だ。その西岡の唯一の内弟子として修業しながら,薬師寺金堂や法輪寺三重塔の再建などに携わったのが,小川三夫である。小川はその後,1977年に宮大工集団の鵤工舎を設立し,約30年の間に100人以上の大工を育てた。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 金網細工を手編みで作る職人は,京都で多く育ってきた。その京都で工房「金網つじ」を構えるのが辻賢一だ。こうした工房は「終戦直後には京都に30軒くらいあったが,今では5軒ほど」になってしまったという。機械編みの金網や板金・プラスチック製品の増加,職人の高齢化,10年ほど前から市場に入ってきた中国製の手編み製品などが,技の継承を圧迫している。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

「はい・・・はい,ああ大丈夫ですよ。うちは何でもやります」─。
 電話での依頼に快く応じる秋山好輝は,オリジナルブランドのフルートを作る傍ら,古今東西のフルートの修理も手掛けている。奏者が大幅に改造していて「新しく作るより難しい」ものもあるが,決して「できない」とは言わない。「『できない』って言う前に,どうすればできるかをじっくり考えてみるんです」。ひとまず預かり,その間に何をしなければいけないかを頭に描き,必要があれば新しい技術を身に付けてそれを実行し,顧客に戻す。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 銅合金の鋳物で円板を作り,その表面を丹念に磨いて鏡面に仕上げた「銅鏡」。ガラスの片面に金属めっきを施した現代の鏡が普及するまで,鏡といえばこの銅鏡だった。山本富士夫は,約140年前に曽祖父が始めた銅鏡作りを4代目として今に伝える,数少ない鏡師である。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 ゴーゴーと音を立てる炉の中で,赤熱した鉄の塊。それを素早く取り出して鉄かなどこ床の上に置き,何度も何度もハンマーでたたいていく─。熱気に包まれたこの現場で,白鷹幸伯は70歳を過ぎた今も,鉄と向き合う。鍛冶職人の家に生まれ育ち,今では「松山にこの人あり」とまでいわれる白鷹にも, 「目標も何もかも失っていた」時代があった。「鍛冶屋が嫌」で上京してから,愛媛県松山市に戻るまでの11年間のほとんどが苦悩の日々だった。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 ビスポークカッターとは,注文紳士服の採寸から裁断,仮縫いまでを担当する職人のことだ。東京・表参道に「TAILOR & CUTTER」を構える有田一成の場合は,縫製までを手掛けるので,テーラー(仕立師)でもある。そのスーツは,顧客が「(イタリアの)フィレンツェの有名店に着て行ったら,店員から注目された」と絶賛するほどで,多くの熱心なファンを持つ。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 彫刻作品や仏像などの鋳造方法として用いられる「真土型鋳造」。川砂と山砂,粘土をよく混ぜ合わせて焼結することで型を作製する古くから伝わる手法だ。焼結後の型の温度が高い状態で溶湯を流し込むので,金属がゆっくりと凝固し,鋳肌がきめ細かになる。手作業による丁寧な型作りは,原型の優れた再現性の源だ。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特集】なぜ今、匠に学ぶべきなのか

 箱根名物の寄木細工。この寄木細工を表面にあしらい,複雑な手順を踏まないと開けることができないようにしたのが秘密箱である。伝統的な秘密箱は基本的に直方体で,側面全体やその一部を面方向にスライドさせるという操作を正確な順番でやっていくと,ようやく開くという仕掛けだ。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

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