【開発の鉄人 現場をゆく】熱量に懸ける情熱

 頑張っている中小企業に共通して感じるのは,経営者の情熱だ。経営環境が変化する中では,人材 や技術も大切だが,何と言っても経営者自身の情熱がものをいう。特に,創業者には半端ではない情熱家が多い。へこたれない,めげない,何があってもくじけない。そんな気力と情熱が,我が国の産業を支えてきたといっても過言ではない。しかし,多くの分野で産業構造自体が激変している現在,中小企業の経営はますます厳しい曲面に向かっている。
 そんな,氷河期ともいえる極寒の時代をどう乗り切るか。それには開発しかないと決めて,頑張っている中小企業がある。カメラや通信機器のOEMと,部品の製造で生きてきたこの会社,何と,料理された食品の総カロリー(熱量)を測定する装置を開発した。(以下,「日経ものづくり」2008年11月号に掲載)