【連載講座】最新センサ詳解

日本ガイシは、ガソリン車やディーゼル車の排ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)の量を検知するセンサを実用化している。世界各地でのNOxの排出量を規制する動きに対応するため、2008年6月にはセンサの検出精度を30%高めた(図)。NOxセンサを高精度化する背景やセンサの検出原理を述べる。

日本ガイシ
センサ事業推進部部長
中垣邦彦


 当社のNOxセンサは、NOxを直接測定するのではなく、NOxを還元(NOx→N2とO2)することで発生するO2の量を測定することで、NOxの濃度を算出する。
 ただし排ガス中にはNOx以外にも、O2が含まれるため、NOxセンサの出力精度を上げるためには、NOx以外に存在するO2をできる限り取り除くことが求められる。2008年6月には、測定誤差を従来よりも30 % 低減したNOxセンサを開発した。今後、欧州や米国をはじめとした自動車メーカーやトラックメーカーに提供する計画だ。

【連載講座】最新センサ詳解
検出精度を高めたNOxセンサ
(a)センサは日本ガイシが開発した。制御回路は、ドイツContinental社が開発した。制御回路は、センサと配線でつながっている基板部。(b)センサの中には、ZrO2の素子が入っている。