【連載講座】軽く安くする材料・加工技術

神奈川工科大学は、材料をねじりながら押し出す加工法を提案した。結晶粒が従来の数十分の1になり、降伏強さが50~150%向上する。応用製品は押し出し品に限らない。押し出したビレットを素材にして、プレス品、冷鍛品などにも応用できる。

神奈川工科大学工学部機械工学科教授
水沼 晋


 現在、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)合金の強度を50~150%向上させる方法の開発に取り組んでいる。強度が100%向上、つまり2倍になると、軸力で強度設計をしている部材ならば、材料は約半分で済む。その分、軽く、安くできる。
 実は特別な素材を使ったわけではない。普通のAlやMgである。特別な添加元素もない。ただし、「ねじりながら押し出す」という加工をしているところが、ほかにない特色だろう。

【連載講座】軽く安くする材料・加工技術
公称応力と公称ひずみの関係
ねじり押し出しにより、公称応力は80% 向上する。