BRICs 日系メーカーに挑む

中国とインドの南に位置し、どちらの国にも近いASEAN(東南アジア諸国連合)。中でもタイは世界各地への完成車、部品の輸出拠点として注目されている。今回はHonda Automobile Thailand社(以下HATC)を訪れ、ホンダのASEAN戦略を探った。

 HATC の2007 年の完成車生産台数は「City(日本名フィットアリア)」「Jazz(日本名フィット)」「シビック」「アコード」「CR-V」の5 車種合計で13 万9104台に達した。そのうち、輸出は7 万9531台と、同社としては初めてタイ国内向けの生産台数5万9573台よりも多くなった。
 完成車の輸出先は日本、中国を除くアジア10 カ国、アフリカ12 カ国、中東11 カ国。さらに、CKD(Complete Knock Down)生産用の部品輸出点数の2007 年実績は53 万4120 点で、国内の鈴鹿工場、狭山工場を上回った。こうしたCKD 部品の輸出先は北米、南米、英国、インドを含む14カ国にも及 んでいる。

ホンダのアジア太洋州における販売推移
ホンダのアジア太洋州における販売推移
2008年は41万1000台と過去最高を見込んでいる。地域別ではインド、オーストラリア、タイが多い。