【多視済済】「変形」しても「変化」はしない 熱膨張対策のカラクリとは

 宇宙空間にある人工衛星の表面温度は,太陽光が当たっているかどうかで非常に大きく変化する。その温度差は実に数百℃。温度差があれば,物質は膨張したり収縮したりと体積が変わり,変形するのが世の常だ。
 ところがこの熱変形は,人工衛星にとって都合が悪い。特に,センサや望遠鏡などのミッション機器を搭載する構造体では,ちょっとした変形によってミッション機器が向いている方向や相対的な位置関係が変わってしまうからだ。ミッション機器が当初の性能を発揮できなくなる恐れがある。(以下,「日経ものづくり」2008年10月号に掲載)