【特報】ユニーク企画,実現の舞台裏 満たされない期待に応えてヒット

【特報】ユニーク企画,実現の舞台裏 満たされない期待に応えてヒット

原油や資源の高騰により,物価がじりじりと上がっている。一方で,所得は増えない。消費者の財布のヒモは固くなるばかりだ。だが,こんな時代でも需要に供給が追い付かないヒット商品は存在する。例えば,願望や不満といった満たされることのなかった消費者の期待に応えたユニークな企画の製品だ。そうした製品の発想がどうして生まれ,どうしてそれを実現できたのか─。その舞台裏を紹介する。

図●REACH規則の背景

 「選での競争率は5~6倍ぐらい」(ヤマハ)。2008年5月12日から同社が専用サイトで販売を開始した電子楽器「TENORI-ON(テノリオン)」が人気を呼んでいる(図)。「16行×16列」と,マトリックス状に配した発光ダイオード(LED)のボタンを操作して作曲や演奏を行う全く新しいコンセプトの電子楽器で,同社がメディア・アーティストの岩井俊雄氏と共同で開発したものだ。(以下,「日経ものづくり」2008年9月号に掲載)

図●ヤマハの電子楽器「TENORI-ON」
図●ヤマハの電子楽器「TENORI-ON」