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日経ものづくり2008年8月号
目次
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航空機の客室与圧システムに異変
燃費改善対策が及ぼした負の影響
航空機の燃費は,エアラインの経営を左右する。燃費改善策があれば,それを講じるのは当然だ。圧縮機の汚れを落として燃焼効率を高める「エンジン水洗い」は,そうした改善策の一つとして採用されている。しかし,物事には正の側面と負の側面がある。現場の品質管理体制が甘くなったとき,事故は起きた。
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山本製作所
平準化への道
2008年1月中旬,農機メーカーの山本製作所(本社山形県天童市)東根工場の大会議室には,同工場のカイゼン・メンバーや,他社からカイゼンを学びに来た研修生ら100数十人が集まっていた。司会者の掛け声を合図に,一人の男が勢いよく前方に飛び出す。
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「産」も「学」も本業徹底が前提
甘えのない産学連携を実践したい
最近,「イノベーション」が至る所で声高に語られている。文部科学省と経済産業省は,イノベーションによる新産業創出を目指そうと,競って産官学連携を推奨している。筆者も長く製品開発に携わった経験から,「ものづくり」の基盤強化や製品開発の効率化に貢献する産官学連携には大賛成だ。が,このところの連携事業を見て…
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勘どころ幾何公差 第5回
位置度のデータム指定
正しい(あいまいな解釈のない)公差指示を実行する上で最も多く使用する幾何公差といえば,間違いなく位置度(Position)であろう。位置度は,中心点や中心線,中心面,表面などに対して,理論的に正確な位置からのズレを規制する。規制の対象となる形体やデータム設定のパターン,そして公差域の種類などいずれも…
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「理化学職人」
社会人になって使わなくなった言葉がいくつかある。試験管,ビーカー,フラスコなどもその好例。ご承知の通り,理科や化学の授業で使ったガラス製の理化学機器の名称だ。もちろん,大学や企業の研究機関をはじめ,関係のある職業に就けば日常的に使うのだろうが,機械・電気・コンピュータ,IT・流通・小売り・サービス業…
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工場安全のツボ 第5回
機械を動かしながら安全に作業する
前回までは,安全防護の方策として,安全柵などによる「隔離」と,インターロック装置などによる「停止」を説明してきました。前者は危険源と作業者を空間的に分け隔てることで,後者は危険源の動きを止めることで,それぞれ作業者の安全を確保するものです。
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英語で伝えるMONOZUKURI 第17回
Kaizen(Improvement) = 改善
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トヨタ流人づくり 第5回
仕事への情熱をかき立てる
「だから,部下が動く トヨタ流 人づくり」では,今,多くの日本メーカーの管理者が頭を悩ませている社員の人材育成に関して,トヨタ自動車の考え方や方法を伝授します。社員にやる気とモチベーションを与え,自ら動く組織をつくるための直接的,間接的なヒントが満載です。本コラムは中部産業連盟が開催するセミナー「ト…
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上垣金属製作所、愛工舎製作所
上垣金属製作所の主力事業は,建設機械,農業機械,フォークリフトなど各種産業機械向け部品の受託加工である。丸棒鋼材の加工を得意とし,建設機械用ブームやアーム連結ピン,トラックローラ,減速機用入出力軸,油圧シリンダのロッドなど多様な部品向け加工を行う。主には切削/研削加工だが,溶接や,ダイヤモンド砥石を…
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メカトロ講座 -茶運び人形開発計画 詳細設計編第5回
機構・機能(2)
今回は,茶碗の検出という観点から茶運び人形に求められる機能について考える(表)。我々は既に,概念設計編の第11回(2008年2月号)で茶碗の検出方法について基本方針を検討済みだが,その検討をさらに推し進める。
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ダイキンの工場
市場即応の秘密
家庭用エアコンを造るダイキン工業の滋賀製作所。顧客が“今”欲しい製品を“今”提供するために,変種変量生産を追求してきた。その結果,1000を超える機種を混流生産しながらも,生産に着工してから完成するまでの時間を表す「工場内リードタイム」で9時間を切った。家庭用エアコン分野での「世界一」(同社)の更新…
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リスク管理へ化学物質規制が激変
今こそ「REACH規則」に学べ
欧州の化学品規制法「REACH規則」の予備登録が2008年6月に始まった。同規則は,欧州連合(EU)域内で化学製品や最終製品を製造・輸入する事業者に対し,そこに使用されるすべての化学物質の登録を義務付けたもの。EUの法律だからと,直接輸出あるいは間接輸出している事業者だけの問題ととらえない方がいい。…
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価格下落の影響と対策
世界的な,競合激化と資源・エネルギの高騰が続く中,顧客からの厳しい値引き要請に苦しみながらも,生き残りを懸けて懸命にコスト削減に励むしかない─。価格下落の影響と対策について調べると,現在の日本企業がコスト削減に苦しむ姿があらためて浮かび上がってきた。
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設計の常識を覆すサーボプレス
新工法の開発競争が一気に加速
サーボプレスを使い,難塑性加工材の成形や複雑形状の一体成形,成形の高精度化などに取り組む加工メーカーが増えている。こうした動きの背景にあるのは,プレス加工メーカーが持つ危機感だ。この先,厳しい競争を生き残るには,コスト競争力を保ちながら付加価値を高めていかねばならない。そのための手段として,サーボプ…
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3次元図面の長期保管をどうするか
PTC/USER会が新フォーラムを設立
形状を表現する3次元モデルだけでなく,公差や属性,注記といった情報も含んだ3次元図面(3次元単独図)の利用が,徐々に始まりつつある。まだまだ検討の余地があるとはいえ,その表示方法や運用方法についての標準化が3次元データを活用するユーザーの中で進んできたためだ。 このような状況の中,3次元単独図の普及…
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チェーンで推力伝える昇降装置
高速化や長寿命化で優位に
椿本チエインは,推力の伝達要素としてチェーンを使う昇降装置「つばきジップチェーンリフタ」を開発,販売を始めた(図)。「シリンダとリンク機構を使う昇降装置よりも,昇降速度や製品寿命が優れている」(同社開発・技術センター研究開発部電機開発課長の佐藤哲氏)。このために,単体だと形状自由度が高いが,かみ合わ…
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大成プラス,2倍以上の強度で金属同士や金属とCFRPを接着
大成プラス(本社東京)は,金属同士や,金属と炭素繊維強化プラスチック(C F R P)を強固に接着する新技術「NAT(Na no Adhesion Technology)」を開発した(図)。これは「NMT(Nano Molding Technology)」と呼ぶ,金属と樹脂を強固に一体成形する同社独…
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強まるPLCと3次元モデルの連携
生産設備の短期開発を実現
三菱電機とオートデスク(本社東京)は,生産設備などの動作を3次元CAD上でシミュレーションする機能の共同開発で合意した。具体的には,3次元CAD「Autodesk Inventor」(米Autodesk社)と,三菱電機製のPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)「MELSEC」シリーズ,およ…
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製品設計にリスクアセスメント導入へ
経産省が製品安全四法を見直し
「製品やサプライチェーンの多様化/複雑化,さらには使用者の高齢化といった要因が絡み合い,既存の安全基準では想定していない新たな危険要因による事故が起きている」。このように最近の事故を分析するのは経済産業省商務情報政策局製品安全課である。この分析に基づき同課は「電気用品安全法」(電安法)をはじめとする…
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自由曲面にプリントする「3次元プリンタ」はどう動く?
暗がりの中に鎮座するのは,ミマキエンジニアリングと長野工業高等専門学校が共同で開発したインクジェット・プリンタの試作機だ。とはいっても,ただのプリンタではない。自由曲面上に直接,プリントできる「3次元プリンタ」である。写真の左上に四つ並んでいるのがプリントヘッド,その右斜め下にある銀白色の円形がワー…
日経クロステック Special
What's New
総合
- 欧州トップ企業語る日本のセキュリティー
- NTTドコモ支援の実践型教育プログラム
- 最新の「ポスト認証攻撃」をいかに防ぐか?
- ICTを活用したPC教室で高校授業に変化
- 設備・建材活用の現場から(3)−ボアシス
- ビジネスPC、ITデバイス購買DXを推進
- ジェイテクトエレクトロニクスのDX事例
- DXを成功に導くITインフラとは?
- 生成AIの活用の鍵は「内製とアジャイル」
- AIと自動化でエンジニアの能力を解き放て
- 日本初!東京港を横断する通信網が誕生へ
- 最先端のAI技術を支えるNTTPC
- ベネッセホールディングスが標準機として選んだレッツノート
- NTTデータに優秀なデジタル人財が集まる理由
- 専門家が斬る日本の意識と対策の現状は?
- ゼロトラスト成功の秘訣を神田れいみと探る
- 神田れいみと学ぶ「ネットワーク活用白書」
- 3つのペルソナで、働き方に合わせたPC選び
- 地域創生で重要になる「事業化」の視点とは
- ERPプロジェクト≫IT人財の必須条件は
- 設備・建材活用の現場から(2)−2室連結バス
- 製造業のデジタルシフトをどう進めるべきか
- 先進都市対談>生成AIは行政DXの切札?
- 多様化する地域の課題解決に向けて議論
- 地域×テクノロジーでミライを共創する
- 国内最大級のCVCが戦略リターンを追求
- マネージドサービスが安価に利用できる理由
- 脱レガシー案件≫SIerに必要な人財像は
- 役所文化の変革!奈良市のデジタル市役所
- デルタ電子とロームが提携した本当の狙い
- DXや生成AI活用に挑む大阪府
- イノベーションの起爆剤
- 3段階で考える、DXで企業力を高める方法
- 樹脂部品の変形対策ソフトで手戻り激減
- 石戸氏に聞く。生成AIを教育で使うには
- 東芝が描くDXの道筋とその先の未来とは
- 次世代技術をもっとリアルに体感したいなら
- 学習者目線で開発dynabook K70
- 大規模プロジェクトでPMが注意すべき点は
- 守りながら攻める“製造DX”の方法論とは
- ランサムウエアから診療データはこう守る
- 最新サーバーに学ぶ熱設計の最前線
- PC管理の課題を課題をまるごと解決
- 日向市が取り組む生成AIモデルとは?
- ファンケルの躍進を支えたMAの徹底活用術
- 日本語に強い「和製生成AIモデル」が誕生
- 経営戦略と連動したシステムのあるべき姿
- 動画解説>生成AIからDX変革まで
- 大阪・名古屋エリアのDXが注目される理由
- 木質建築空間デザインコンテスト受付開始