BRICs 日系メーカーに挑む

前回のハンガリーに続き、再び中欧を訪れた。ドイツの東にあるチェコは古くから工業化が進んだ国。ここで、トヨタ自動車とフランスPSA Peugeot Citroenグループが合弁で立ち上げたTPCA(Toyota Peugeot Citroen Automobile Czech)は、2005 年からトヨタ「AYGO」など3車種を生産する。

 2008年3月にスイスで開かれたジュネーブモーターショー。トヨタの記者会見で社長の渡辺捷昭氏は「Toyota Small Cars by 2009」構想を発表した。それによると、2009年までの欧州における小型車の目標販売台数は50万台。内訳は、「Yaris(日本名ヴィッツ)」が約28万台、「AYGO」が10万台強、2008年秋に発売する超小型車の「iQ」が約10万台、「Urban Cruiser(日本名イスト)」が約2万台となる。  生産拠点はYaris がフランスのTMMF(Toyota Motor Manufacturing France)、AYGOが今回訪れたTPCA、iQとUrban Cruiserは日本からの輸出となる。  Yaris が販売の主力であることは間違いないが、その次に並ぶAYGOとiQも重要な車種に位置付けられている。このうち、2005年2月に量産開始したAYGOの生産台数は、2006年に10万台、2007 年に10 万5000 台と推移している(図)。

Toyota Peugeot Citroen Automobile Czech社の「AYGO」生産台数
Toyota Peugeot Citroen Automobile Czech社の「AYGO」生産台数
2005 年2 月に生産開始し、2007年は10万5000台を生産。「Peugeot 107」「Citroen C1」との3車種合計では年間30万台規模となる。