富士重工業「エクシーガ」

 富士重工業が2008年6月に発売した「エクシーガ」は、同社の国内向け車種としては初めての3列シート車(図)。日本の登録車市場の約3割をミニバンが占めるという状況で、これまでこの種の商品を持たなかった同社にとって、まさに待望のモデルといえる。

 他社のミニバンの売れ行きを横目で眺めつつ、これまで同社がミニバンを商品化できないでいた背景にあったのは「スバルらしい3列シート車とは何かを追求するのに時間がかかった」(開発担当者)という事情だけではないはずだ。
 企業規模が小さい同社にとって、これまでにない新たな車種を投入しようとすれば、そのために割く開発リソースや、生産規模が他社に比べて小さくなることから来るコスト面でのハンディキャップをどう克服するかという課題がある。この問題をクリアするべく富士重工業が取り組んだのが、できる限り他車種と部品を共用するという戦略である。

富士重工業の新型3列シート車「エクシーガ」
富士重工業の新型3列シート車「エクシーガ」
外観からはミニバンとは判別しにくい。