【特報】技術者にしかできない 模倣品対策

模倣品対策の重要性がこれまで以上に高まっている。「模倣品対策は知的財産部の仕事」と考えるのは早計だ。「リバース・エンジニアリングされても肝心な情報が漏れないようにする」といった,技術者による技術的な対策が求められている。こうした取り組みの在り方を,模倣品対策経験が豊富で,元機械設計者でもある弁理士が指南する。( 本誌)

 日本の企業が近ごろ頭を痛めている問題に,技術やノウハウの流出と,それに伴う模倣品被害が挙げられる。こうした問題は国内でも起きているが,このところ注目されているのは中国だ。これらの技術やノウハウを最も欲しているのは中国だからである(図)。
 筆者が模倣対策の必要性を指摘すると,現場の技術者から「うっとうしい」「うさんくさい」「知財部(知的財産部)に任せておけばいい」といった反応を受けることが多い。もちろん,知財部にすべて任せられるのであればそれに越したことはない。しかし,法律論とは別に,技術やノウハウをどう守るのかに関して技術者が知っておくべきことは,近年さらに増えているというのが現実だ。(以下,「日経ものづくり」2008年7月号に掲載)

図●模倣品製造国・地域
図●模倣品製造国・地域