【特報】データなくしてフィードバックなし

部署間や拠点間で役割分担しつつも,緊密に協力して業務を進めていくコラボレーション。ITツールを使ってコラボレーションを遂行する試みは製造業に深く浸透しつつあり,設計・生産をまたがるさまざまな局面で実現例が見られるようになった。同時に,コラボレーションを上手に実行していくためのキーポイントも明らかになってきている。その目的とITを使う意味を,先進ユーザーが明らかにする。

 「3次元CADなど,一通りのツールの導入は終えた。今は,その成果の拡大を考える時期」と言う企業が増えてきた。個別業務の効率化に加えて,複数の組織や拠点の間でデータを転送,共有して仕事を進め,全体として効率化する。このような動きが現実のものとして,さまざまな企業で多くの業務に広がっている。
 コラボレーションは情報を共有したり使い回したりしながら,一つの目的に向かって複数の組織や拠点が可能な限り同時並行で作業を進める考え方だ。基本的に業務を互いに分担している組織や拠点があれば,そこでは「待ち」が生じる。そうした待ちを減らしていく上でITは有力な手段になる。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)