日経ものづくり2008年6月号
特集

超低価格を凌駕する

2008/05/26 03:41

【特集】超低価格を凌駕する

世界の耳目を集める中国・インドなどの新興国市場。急成長中のこれらの市場を制すべく「超低価格」の製品が相次いで登場した。「高付加価値」を強みとする日本メーカーには不利と見る向きもあるが,打ち勝てるだけの潜在力は秘めている。ただし,付加価値を高めることにだけ執着していてはダメだ。低コストと高付加価値を両立させる“構造改革”に挑戦しなければ,勝者にはなれない。 (高野 敦,中山 力)


【特集】超低価格を凌駕する 構造改革 高付加価値シフトに決別の時、質と量の二兎を獲る

「彼らにできたのに我々にできないはずがない」。日産自動車社長のCarlos Ghosn(カルロス・ゴーン)氏がこう対抗心をあらわにしたもの,それはインドTata Motors社が発表した超低価格車「Nano」だ。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)


【特集】超低価格を凌駕する挑戦 1 いすゞ自動車のトラック

●最下位モデルが「基本形」,
オプションを加えて上位モデルを実現
●共通化をとことん検討するための組織横断活動を採用
●開発終了後も同じチームが引き続きコスト削減策を練る

「これまでとは全く違う発想で開発した─」。いすゞ自動車原価企画部部長の三枝峰夫氏がこう語る のは,同社が2006〜2007年にかけて新モデルを発売したトラック「エルフ」と「フォワード」だ。開発を同時並行で進め,部品の共通化を徹底することで,基軸となるモデルの数を維持したまま従来モデルに対して20%のコスト削減を達成。先進国市場はもちろん,新興国市場でも売れるだけの競争力を実 現した。その秘訣は「足し算」の設計にある。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)


【特集】超低価格を凌駕する挑戦 2 三菱重工業の印刷機械

●高い付加価値を柔軟に提供可能に
●モジュール化でメンテナンス性を向上
●研究部門も加わった基本設計の見直し

三菱重工業が2007年9月に発売した「DIAMOND300」シリーズは,約7年ぶりのフルモデルチェンジとなったオフセット枚葉印刷機の中核製品だ。メンテナンスや印刷準備といった待機時間の削減を最大の特徴とし,このところニーズが高まっている多種少量印刷における稼働率(スループット)を向上できるという。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)


【特集】超低価格を凌駕する挑戦 3 日立製作所の自動車部品

●メカトロ部品はできるだけ共通化し,制御で機能の差を付ける
●ソフトウエアは基本部分と個別要求対応部分に分割
●ソフト開発動向の変化に合わせて部門横断部署を相次ぎ新設

日立製作所の自動車部品事業部門であるオートモティブシステムグループでは,新興国市場向けの「超低価格車」にも対応できるようなコスト競争力を確保すべく,開発体制の改善を進めている。カギを握るのは,ソフトウエアだ。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)


【特集】超低価格を凌駕する挑戦 4 三菱電機の人工衛星

●自動車や携帯電話機など民生機器の技術を活用
●ハード処理のソフト化で搭載機器の拡張性を高める
●ソフトをモジュール化し,インタフェースを標準化

三菱電機は2008年3月,今後の需要拡大が見込まれる高機能な小型人工衛星の基本設計を完了したと発表した。例えば,地表における分解能が1m以下の地球観測衛星を想定した場合,同等機能を持つ従来 の同社製人工衛星に比べて質量は4割以下,コストは1/5以下,製作期間は1/2以下と,大幅に競争力を高められる。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)


【特集】超低価格を凌駕する挑戦 5 シナノケンシのモータ

●「擦り合わせ+大量生産」から「組み合わせ+一品生産」へ
●カスタム品で対応できなかったニーズを取り込む
●多品種少量に適した生産体制を構築

シナノケンシは今,モータの新しいシリーズを立ち上げようとしている。検査装置やロボットなど,産業機械への組み込み用途を想定した製品で,2008年9月に発売する予定の「Plexmotion」である。「機能と品質で妥協せずに,いかに価格を抑えるかに挑戦した。ある意味,実験的な製品」(シナノケンシ戦略マーケティング室室長の前田邦彦氏)という位置付けだ。(以下,「日経ものづくり」2008年6月号に掲載)

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