【連載講座】最新センサ詳解

車両の回転を検知する
ジャイロセンサ

クルマの回転を検知するのが、ジャイロセンサだ。カーナビ用途ではクルマの進路の変更を、車両制御用途ではクルマの細かな挙動を計測する。当社は現在カーナビ向けのジャイロセンサ「XV-8000シリーズ」を実用化しているが、将来は適用範囲を広げたいと考えている。今回は、水晶を使ったジャイロセンサの用途や基本的な構造を解説する。

エプソントヨコム
開発技術統括部設計部技術副主幹
小林祥宏


 ジャイロセンサの素子の素材は、水晶やセラミックス、シリコンなど様々である。当社が採用している水晶は素材そのものの特性として温度に対する安定性が高いという特徴がある。
 ジャイロセンサは、クルマの運転を支援する電子部品の一つで、大きくカーナビ用と車両制御用の2種類に分かれる。
 カーナビ用のジャイロセンサは、クルマの方向の変化を検出することで、現在地を特定するものだ。トンネル内などGPSを受信できないエリアではジャイロセンサを用いることで、トンネルの左右の分岐点がある場合でも、どちらに進んだかを把握することが可能になる。

【連載講座】最新センサ詳解
クルマの基本的な回転動作
(a)左右方向の回転であるヨー、(b)前後方向のピッチ、(c)上下方向のロールがある。これらをジャイロセンサで検出する。