BRICs 日系メーカーに挑む

本連載ではこれまでBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)における日系メーカーの取り組みを紹介してきたが、今回からその拡大版として中東欧やアジア地域にも範囲を広げていく。第7回となる今回は、中欧に位置するハンガリーのMagyar Suzuki社(以下マジャールスズキ)を訪れた。

 マジャールスズキは、スズキ唯一の欧州生産拠点である。生産開始は1992年10 月と早いものの、年間生産台数が10万台を超えたのは2005年2月の「スイフト」生産開始以降。2006 年2 月には「SX4」を生産するのに合わせて能力を大幅に増強、2007 年の生産台数は23万2480台と急上昇している(図)。
 2008年2月にはスイフトをベースとした、5人乗りのファミリー向け小型車「Splash」の生産を始めた。これによって2008 年の生産台数は30 万台近くとなり、2008年度で見れば30万台を突破する見込みだ。この時点では、ハンガリー国内販売向けが10%、残りはロシアを含めた欧州32カ国への輸出に割り当てられる。台数ベースで多いのは、英国、イタリア、ドイツといった欧州主要国だ。

Magyar Suzuki社の生産台数と各年で最も多く生産したモデルの台数
Magyar Suzuki社の生産台数と各年で最も多く生産したモデルの台数
2007年は23万2480台を生産。最も生産台数が多かったのはスイフトで41%を占める。