ソニーは,手のひらにすっぽりと収まる超小型の燃料電池システムを試作した。燃料電池と燃料カートリッジ,Liポリマ2次電池,制御回路などを組み合わせながら,50mm×30mm×20mm程度の寸法で実現した。同社が,2次電池や制御回路を含む実用的な燃料電池システムの試作を明らかにしたのは,今回が初めて。

 携帯機器向け燃料電池に関してソニーはこれまで,フラーレンを利用した固体高分子電解質膜や,それを用いたMEA(膜/電極接合体)の評価結果を公表する程度にとどまっていた。今回は,製品化を見据えた試作品と位置付けている。「携帯機器への内蔵を目指してきたが,ようやく商用設計レベルに到達した」(ソニー マテリアル研究所の技術者)。