【多視済済】自然に学んだ 構造体の作り方とは?

 ここに挙げた図形をよく見ると,一筆書きで描かれていることが分かる。1本の線が面を作り,それが3次元の構造体を形成していく。
 これは,ある生物の行動と,それがもたらす構造体を手本に作成したものだ。その生物は,1300~1500mもの長さを持つ1本の糸から構造体を築く。
 この行動をロボットにまねさせて,同様の特徴を持った構造体を作らせる研究がある。うまくいけば将来,ロボットが原子力発電所の配管設備に入り込んで欠損個所を修復したり,宇宙に持って行って,そこで柱のない宇宙ステーションを造ったりすることができるかもしれない。
 このような可能性を秘めた生物の行動とは何か?(以下,「日経ものづくり」2008年5月号に掲載)