Automotive Technology Day 2008 winter報告、新興国市場の獲得を狙い、各社が低価格車を投入

 今後、世界の自動車市場における成長のほとんどを新興国が占め、その成長は小型車が担う。部品メーカーはこうした動きに対応することが迫られる――。本誌が2008年1月28日に都内で開催し た専門セミナー「Automotive Technology Day 2008 winter 低価格車の台頭が変える部品メーカーの競争条件」(図)では、こんな課題が浮き彫りになった。

 2008年1月にインドのTata Motors社がモーターショー「Auto Expo」で10万ルピー(約28万円)のクルマ「nano」を公開して以来、大きな話題となっている低価格車。最初に登壇した米CSM Worldwide社日本・韓国ビークル・フォーキャスト シニアマネジャーの横井博文氏は今後のグローバル市場の展望と、低価格車の動向について講演した。
 同社の予測によれば、世界のライトビークル(車両総重量3.5t以下)市場は2007年の6760万台から、2013年には8470万台に増加するが、この成長分1710万台のうち、南アジア、中国、中東欧、南米といった新興市場の占める比率は74 %に達する見込みだ。また同社の予測では、新興国での成長分の うち、Cセグメントが31 %、Bセグメントが28 %、Aセグメントが20 %を占める。つまり、Cセグメント以下の小型車が79%に達する。

講演の様子
図●講演の様子