NISSAN GT-Rのエンジン工場、クリーンルームで人が組み立て、全量を全負荷で性能試験

 2007年12月に日産自動車が「新世代スーパーカー」として発売した「NISSAN GT-R」。同社はそのエンジン組み立てラインを2008年3月に報道関係者に公開した。その特徴は、すべてが熟練作業者の手作業によることと、エンジン全数で全負荷試験を実施することだ。

 GT-Rのエンジン組み立てラインは、同社横浜工場のエンジン組み立てラインの一角にある。横浜工場は同社のエンジン生産の中核を担っており、V型8気筒の「VK型」、直列4気筒の「QR型」「MR型」、それに直列4気筒ディーゼルエンジンの「YD型」などを生産している。  量産エンジンの自動化ラインが並ぶ工場建屋内の一角にある白い壁の建物が、GT-Rのエンジンである「VR38 DETT」エンジン(図)の組み立てラインだ。この組み立てラインの最大の特徴は、同社が「匠」と呼ぶ熟練作業者集団がすべて手作業で組み立てることだ。匠集団を率いるのは3人の「匠」と呼ばれるリーダー。その下に「準匠」と呼ばれる10人の熟練作業者がいる。実際に組み立てを担当するのはこの13人のみだが、次世代の匠候補として、現在16人の「準匠候補」たちが教育を受け ている。

NISSAN GT-Rに搭載される「VR38DETT」エンジン
図●NISSAN GT-Rに搭載される「VR38DETT」エンジン