車両の動きをMEMSでつかむ

MEMSセンサは、今や自動車の制御には欠かせない存在になった。加速度センサでは、民生品での量産をきっかけに価格破壊が始まった。角速度センサでも、電磁式から静電容量式への進化で価格が下がる。車輪、ドアなど新たな場所にセンサを置き、新機能を与える動きも始まった。

 ESC(横滑り防止装置)、ABS(アンチ・ロック・ブレーキ・システム)、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)、クルーズコントロール、シートベルト、エアバッグ…。車両の動きをつかみ、その結果をフィードバックして車両の動きに反映する、あるいは車内の装置を動作させるシステムが普及してきた。
 その背景には、センサのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)化が進み、コストが大幅に下がってきたことがある。MEMSは半導体製造技術でSi基板上に形成するため、量産効果が大きい。一番安い加速度センサは自動車用グレードでも数ドル。これだけの装置で、自動車の操縦性、安定性、安全性を上げることができる。

横浜ゴムのセンサ
図●横浜ゴムのセンサ
上はケースから基板を外して裏返したところ。