【開発の鉄人 現場をゆく】安全・安心の仕組みづくり

 食品の安全・安心が脅かされている。中国製冷凍ギョーザの事件は,中国政府の「中国での農薬の混入はあり得ない」との見解で,すっかり闇の中に入ってしまった。一体,消費者は何を信じたらよいのだろう。生活協同組合(生協)といえば安全・安心なはずなのに,今はすっかり逆のイメージだ。
 一方,1998年には業績が悪化し,破綻しかけたコープさっぽろ。経営改革を進め,猛烈なスピードで再建を果たした北海道の地域生協だ。完全な再建へ向けて,さあこれからという時に今回の事件。逆境をばねにして,今,生産者から消費者までのトレーサビリティ・システムを完成させようと,全力で取り組んでいる。食品における安全・安心の仕組みづくりこそ,消費者の信頼を勝ち取る唯一の方法だと信じているからだ。(以下,「日経ものづくり」2008年4月号に掲載)

図●コープさっぽろの大見理事長
図●コープさっぽろの大見理事長