【トヨタ流人づくり 第一回】職場の改善が根付かない?、日本の強さを損ねていませんか

「だから,部下が動く トヨタ流 人づくり」では,今,多くの日本メーカーの管理者が頭を悩ませている社員の人材育成に関して,トヨタ自動車の考え方や方法を伝授します。社員にやる気とモチベーションを与え,自ら動く組織をつくるための直接的,間接的なヒントが満載です。本コラムは中部産業連盟が開催するセミナー「トヨタ流モノづくりと人づくりの心・伝承塾」講座の講演内容を編集部が取材し編集したものです。

日本が戦後,他に例を見ない飛躍的な発展を遂げてきた要因は,「高いレベルのものづくり産業」を築いたことにあります。これを成し遂げたのは,「やる気とモチベーション,活力ある社員」が「高品質なものづくり」に懸命に挑んできたからにほかなりません。
 ところが,近年の日本では,そうしたノウハウや知識を備え,ものづくりを支えてきた社員が第一線を去り始めています。同時に,現在の日本社会や産業界においては,「やる気とモチベーション,活力のある日本人魂」とでも表現すべきものが薄れてきているように思えます。(以下,「日経ものづくり」2008年4月号に掲載)