【事故は語る】電動リクライニングが人を挟み込む、意図せず動き続け脱出不能に

ベッドの電動リクライニングが動き続けた結果,マットとヘッドガードの間に首を挟まれて4歳の男児が窒息死するという事故が2007年12月に発生した。なぜ電動リクライニングは動き続けたのか,なぜ死亡事故に至るような危険をあらかじめ排除できなかったのか─。調べていくと,リモコンの構造とリクライニング機構に不備があることが明らかになってきた。

 2007年12月14日,「4歳の男児が,電動リクライニング・ベッドのマットとヘッドガードの間に首を挟まれて窒息死した」という情報が,国民生活センターの「消費者トラブルメール箱」に寄せられた。マットの背もたれ部分を起こした際に生じたスペースに男児が入り込み,ヘッドガード側から頭を出した状況で事故が発生したとみられている。
 問題の電動リクライニング・ベッドは,通信販売大手のベルーナが中国から輸入し,販売した「ネオ・ユニバーサル」(図)。リモコンのボタン操作によって頭部および脚部のマットが上昇/下降するものである。(以下,「日経ものづくり」2008年4月号に掲載)

図●死亡事故が起こった電動リクライニング・ベッド
図●死亡事故が起こった電動リクライニング・ベッド