2008年2月19日,東芝 代表執行役社長の西田厚聰氏が,HD DVD事業の終息を宣言した。ソニーや松下電器産業らがBlu-ray Disc規格を発表したのが2002年2月19日。ちょうど6年を経て,次世代DVD規格は事実上Blu-ray Discに統一された。

 規格争いの終結は,Blu-ray Disc規格にとって新たな挑戦の始まりを意味する。光ディスクとネットワーク・サービスの融合である。ソニー,松下電器産業,東芝,米Microsoft Corp.といった規格争いの主役は,ここでも熾烈な主導権争いを演じそうだ。

 そもそもソニーや松下電器産業らがBlu-ray Disc規格を立ち上げた背景には,HDDやネット配信といった,新しい映像蓄積/頒布技術への危機感があった1)。その後,Blu-ray Discは6年にわたる規格争いを通じて,HDDやネット配信をも取り込む「BD-Live」や「Managed Copy」といった機能を備えた規格へと進化した。