【グローバル工場安全 最終回】半導体製造設備の設計/運用におけるリスク低減事例

 今回はダイフクのクリーンストッカーにおける設計および運用面でのリスク低減手法を見ていく(図)。クリーンストッカーは,半導体製造プロセスのクリーンルーム内で使う搬送・保管システムの一部で,半導体ウエハー収納用のFOUPを一時保管する自動倉庫のことだ。
 自動倉庫であるクリーンストッカーの主な動作(機能)はFOUPの搬出入である。全体の構造は,水平および垂直方向にマトリックス状に区分けされており,その一つひとつがFOUPの保管場所となる。FOUPの搬出入にはクレーン(スタッカークレーン)を使用する。クレーンを構成するのは「移載機」「走行軸」「昇降軸」である。移載機はFOUPを保持するための機器,走行軸は移載機を水平方向に動かすためのガイド,昇降軸は走行軸そのものを(移載機を含め)垂直方向に動かすためのガイドおよび駆動源だ。つまり移載機の位置決めは,水平方向は移載機の自走,垂直方向は走行軸の上下動で行う。(以下,「日経ものづくり」2008年3月号に掲載)

図●クリーン・ミニストッカーの構造概略図
図●クリーン・ミニストッカーの構造概略図