【詳報】鉄道用回生電力貯蔵装置 大容量の電池か,高速反応のキャパシタか

 2005年に一部改正された「省エネルギー法」では,工場や機械器具,輸送といった各分野で省エネ対策の強化を求めている。鉄道業者がそれに対して実施していることの一つは,回生ブレーキ車両を増やすこと。ブレーキをかける際にモータで発生した電気を架線に戻し,ほかの電車を動かすことで消費する。
 しかし,回生したエネルギを必ずしも有効に使えるとは限らない。回生エネルギを消費する車両が近くに存在しなければ,架線に戻った電気の行き場がなくなり,ブレーキが利かなくなるからだ(回生失効)。
 それを解決して無駄なく使用するために,回生エネルギをためる研究もあったが,普及するには至っていなかった。(以下,「日経ものづくり」2008年3月号に掲載)