第1部<進化の波>
人と機器が「感覚」を共有へ
センサの数だけ新製品が生まれる

 iPhoneやWiiが備える「直感的なユーザー・インタフェース」の成功に関心が集まっている。直感を実現するのは,人間の感覚器官と同様な情報を検知する「五感センサ」。五感センサの技術開発は目覚ましく,人間の感覚の再現,さらには人間の感覚をはるかに超えたセンサも実現可能になってきた。五感センサの動向をよく知ることで,家電やその他の電子機器の未来を予測できる。

第2部<開発最前線>
生体の仕組みが開発指針に
人間の感覚を超える能力も実現

 触覚,嗅覚,味覚は五感センサの中でこれまで開発が遅れていたが,最近になって新しいセンサ素子の開発例が急速に増えている。開発指針は生体の感覚器官に,いかに近づくか。センサ素子だけでなく,配線や情報処理も生体が手本になっている。人間の感覚を再現できれば,それだけ「人間らしい」機器の開発に近づく。一部では既に,人間の感覚をはるかに超えるセンサも登場している。