【メカトロ講座 -茶運び人形開発計画 第11回】機構・機能の概念設計(5)

 本連載の第9回で,我々は茶運び人形の移動と位置の検出方法について検討した。その内容は,簡単にまとめると以下の2点である。
(1) 茶運び人形が最初に置かれた位置で人形の頭部を回転させ,そこに設けた焦電センサを使って人体が発している赤外線を検出する。これによって客人が座っている方向を検出する
(2) 客人の前まで茶運び人形が移動したときに,畳にごく近い位置から茶碗の画像を撮り,高台(茶碗の底)の位置から茶碗の位置を検出する
 今回は,こうした機能の実現性を見極めるために,実際に基礎的な実験を行い,必要に応じて計画の見直しを行うことにした(表)。(以下,「日経ものづくり」2008年2月号に掲載)

表●開発設計の各過程で必要となる検討項目
表●開発設計の各過程で必要となる検討項目
今回は機能設計としての「センサと前処理回路」に関する部分を取り上げる。