【特報】主力機をタイで開発するソディック

日本の製造業では今,大手を中心に工場の海外シフトが一巡し,開発拠点の海外シフトが注目されている。まだ成功例が少ない中,ソディックは主力製品の放電加工機について,製品企画から開発設計までタイの開発拠点(ソディック・タイランド)が中心になって行う。マイナーチェンジだけでなく,新規開発する機種にも,もちろん対応する。この方法で15年以上の実績を持つ同社は,どのような仕組みと経緯,具体的な取り組みで開発拠点の海外シフトに成功したのだろうか。

 「ほぼすべての量産機種を,タイで独自開発できる」。放電加工機メーカーのソディックがタイに設けたソディック・タイランド1)。同社でディレクターを務める塚本英樹氏は,ソディック・タイランド内にある開発部門(以下,タイの開発拠点)の実力をこう表現する(図)。
 一口に「独自開発」といっても,担当範囲はさまざまに解釈できる。同氏が言う独自開発は, 「タイの開発拠点では,量産するワイヤ放電加工機および形彫り放電加工機について,製品企画の立案から開発設計まで,日本の開発拠点の指導を特に仰がずに,主体的に開発できる」─ということだ。(以下,「日経ものづくり」2008年2月号に掲載)

図●ソディック・タイランドに設けた開発拠点
図●ソディック・タイランドに設けた開発拠点
日本人とタイ人の設計者がワイヤ放電加工機と形彫り放電加工機の量産機種の開発設計を主体的に行う。