日経オートモーティブ 連載

最新センサ詳解 第7回

カメラで衝突を検知
機能絞り低コスト化

クルマの安全運転を支援するために、カメラやレーダを用いるシステムが増えている。しかし、安全運転の支援システムは、ユーザーにとってメリットが伝わりにくく、普及していないのが実情だ。機能を絞ることでコストを抑えた衝突検知システムを紹介する。

矢崎計器
計装開発センター長
伊藤 肇


 自動車の安全性を向上させるために、カメラやレーダを用いた運転支援システムの実用化が進んでいる。
 先行車を検知して衝突が避けられない場合は自動的にブレーキを作動させて衝突の被害を軽減する「プリクラッシュ・セーフティ・システム」や、先行車と車間距離を一定に保つ「先行車追従機能」などだ。
 しかし実際のシステム販売価格は、20万~30万円以上する場合が多く、業界の中では、これらのシステムをどう普及させるかが課題になっている。
 矢崎総業が2007年8月に発売した「AWS-3000」は、警報に機能を絞ることでコストを抑えて、普及に重点に置いている。

日経オートモーティブ 連載
運転支援システム「AWS-3000」
トラックやバスでの使用を想定しており、後付けでの装着が可能。価格は10万円程度に抑えた。(a)カメラ(ビジョンセンサユニット)、(b)表示・操作部、(c)スピーカー、で構成する。