曙ブレーキ工業

第5回 ブレーキ

最適化でノイズと振動を減らす
アルミ合金へと徐々に転換
安全性だけでなく、静粛性や軽量性がより強く要求されつつある自動車用ブレーキ。国産ディスクブレーキを初めて量産化し、グローバルで30%のシェアを握る曙ブレーキ工業に、今後の方向性を聞いた。


 自動車の基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」のうち、止まる力を決める重要な部品がブレーキだ。近年、居住性、安全性や環境性能への要求の高まりもあって、自動車の質量が増加傾向にあるため、ブレーキに対する要求はより厳しくなっている。
 かつては、内側からシューを広げ、ドラムを押すことで制動力を得るドラムブレーキが主流だった。自己サーボ機能を持つため、強い制動力を発揮するが、半面、放熱性に劣る、水が入り込むと制動力が低減する、磨耗状況によってフィーリングが変化するなどの欠点がある。一方、ディスクブレーキは放熱性、フィーリングに優れるため、今や標準的に装着されている。

日経オートモーティブ 連載