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ケタ違いの品質

田野倉 力
2008/01/29 17:41
 

【特集】ケタ違いの品質


Part 1:総論

国内の自動車メーカーが新たな品質改善策に取り組み始めた。 背景にあるのは、三菱自動車の「リコール隠し」を発端とする品質への関心の高まり。 ホンダはかねてから進めてきた「桁違い品質」を目指す活動の成果を 商品に盛り込み始めたほか、日産は市場のクレームに対応する新施設を設置。 トヨタは「自工程完結」をテーマとした改善活動を進める。

 「ケタ違いの品質を実現せよ」―。ホンダ副社長の近藤広一氏は2007年7月の四半期決算発表の席上で、同社が2002年から取り組んできた「桁違い品質」(略称:桁品)と呼ぶ品質向上に対する取り組みが「ほぼ完成形に達した」と表明した。
 同社は具体的には明かさないものの、新車の初期品質が大幅に向上するなどの成果を上げているようだ。この取り組みについてはPart3で詳しく紹介するが、その成果は、まず2005年9月に発売した現行型「シビック」から商品に反映され始め、2007年10月に発売した新型「フィット」、同年12月に発売 した新型「インスパイア」が集大成になったという。

Part 1:総論


Part 2:設計品質を上げる

設計品質の改善では市場での品質問題をいかに早く、正確につかむかがカギになる。 日産自動車は軽微な不具合の部品も回収して顧客満足向上に活用する。 三菱自動車は、販売店からの情報を迅速に集めるシステムを稼働させた。 複雑化する車載ソフトウエアの品質向上では、新しいツールの活用や 開発プロセスの見直しによって対応しようという動きが出てきている。

 日産自動車のある販売店に、ユーザーからクレームが持ち込まれた。フロントバンパーの塗装に亀裂が入っているというのだ。販売員が確認してみると、近くで注意深く見なければ分からない程度なのだが、確かに放射状の亀裂が入っていることが確認できた。こうしたケースでは、ユーザーが使用中にどこかにぶつけたのではないかと考えられるわけだが、ユーザーはそんな覚えはないという。この段階ではメーカー側の責任は不明だったものの、クレーム扱いで部品を交換することになった。

Part 2:設計品質を上げる


Part 3:製造品質を上げる

製造品質を高めるのに最も必要なのは、不良を出さない工程を設計することだ。 ホンダはベテラン生産技術者のノウハウを盛り込んだ製造用の基準書を新たに制度化した。 マツダは品質工学を活用し、外部環境が変化しても品質を確保できる加工工程を追求する。 一方デンソーは、これまであまり深く追求されることがなかった 「人」に起因する問題を掘り下げるためのツールを活用して、成果を上げている。

 Part1で紹介したホンダの「桁違い品質」活動。その狙いは、問題が発生してから後追いで対策するのではなく、開発から製造に至るすべての品質をプロセスで保証できる企業体質を確立することだという。「桁違い」という表現を打ち出したのは「1~2割程度の改善を求めても、従来の延長線上で考えてしまう。ケタが変わるほどの改善を目指すことで、従来とは異なる発想の取り組みにすることを狙った」(ホンダ執行役員で品質・認証担当の福尾幸一氏)からだ。その内容は多岐にわたり、また現在も進行中で公開されていない内容も多いが、今回製造部分における活動の一端を取材することができた。

Part 3:製造品質を上げる

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