組み込みソフトウエア分野で人材不足が深刻化している。人海戦術で「3K職場」とも揶揄されるイメージをいかに改善していくか。技術者への「あこがれ」を創出することが近道となる。(進藤 智則)

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第1部<あこがれの創出>
設計思想語るアーキテクトを養成
ソフトウエア構造にも機能美を

 C言語プログラミングやマイコン,リアルタイムOSの扱い方を覚えれば,組み込みソフトウエア技術者と名乗れる─。そうした古き良き時代は,既に終わった。今後,日本企業が諸外国とのグローバル競争を勝ち抜いていくには,医師や弁護士のように高度な専門性を持つソフトウエア技術者である「アーキテクト」を,社会的に養成する必要がある。そしてアーキテクトの素晴らしさを企業内だけでなく社会全体に周知し,その職種自体が「あこがれ」の対象となるようイメージを確立していく必要がある。さらに,ソフトウエアの構造の美しさを社会にアピールする工夫も必須になる。

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第2部<技術者像>
凄腕アーキテクトは
いかにして生まれたか

 自らの技術を世界レベルで通用するまでに極め,ソフトウエアものづくりの喜びを爆発させる。そんな「凄腕アーキテクト」,3人へのインタビューを掲載する。彼らの辞書に愚痴という文字はない。あるのは自らの腕への自信,そしてソフトウエア技術者としてのプライドと責任感だけだ。


第3部<コミュニティー教育>
昔はマイコン,今はロボット
全体像を俯瞰する喜びを求めて

 技術が高度になり複雑化,しかも新規に一から製品を設計する場が少ない─。企業の開発現場がそんな問題に直面している現在,企業内だけでなく社外のコミュニティーで技術者に開発を疑似体験させる場が必要になっている。そんな技術者教育の場で使われているのがロボット教材だ。かつてのマイコンやパソコンに,技術者たちが「あこがれ」を抱いて群がったように今,一人でシステムを俯瞰する教育素材として,ロボットの活用が注目され始めた。


第4部<資料編>
ソフト技術者の意識調査から

 組み込みソフトウエア技術者の働くモチベーションとはいかなるものか。大規模・複雑化が進む中,ソフトウエア開発のやりがい,そして人材育成への意識について,アンケート調査を行った。