コンテンツを暗号化して放送することで保たれている地上デジタル放送(地デジ)のコンテンツ保護の枠組みが,有名無実化されようとしている。2007年11月に入って,地デジ・コンテンツの暗号化(スクランブル)を解き,放送に多重化されたコピー制御情報(CCI:copy control information)に受信側で反応しない機器や手段が,次々と登場しているからだ。このような機器を「無反応機」と呼ぶ。

 まず,2007年11月初旬に「フリーオ」と名乗るパソコン向け地デジ外付けチューナーが実際に発売された。フリーオはパソコンにUSBで接続するチューナーで,地デジ放送コンテンツの暗号化を解き,生のMPEG-2 TS(transport stream)データとして出力する。パソコンのHDDにこのデータを記録すると,CCIを無視して自由に複製や編集ができる。