ヴァレオ サーマルシステムズ

第4回 エアコン

温度制御から空気質の改善へ
コンプレッサの軽量化進む

今や欧州でも標準装着率が高まりつつあるエアコン。最近のトレンドはより清浄な空気の供給と、小型・軽量化だ。こうした課題に取り組むヴァレオ サーマルシステムズに、エアコンの進化と今後の方向性を聞いた。


 車室内の温度を快適に保つ機能は、エンジン冷却水を使った暖房から、コンプレッサを使って冷媒を圧縮し断熱膨張による吸熱を利用するクーラ、そしてそれらの混合割合を制御するエアコンへと進化した。初めてエアコンをクルマに搭載したのは1964年のGM社「Cadillac」だ。
 車載用エアコンを手がけているヴァレオ サーマルシステムズによれば、以前は乗員が快適に感じる温度制御機能が重視されていたが、最近は花粉除去機能やプラズマによる空気清浄機能、香りの付与など「空気の質」を高めることが求められているという。
 加えて、採用車種ごとに異なる要求が増えており、(1)ミニバンのように広い車室を急激に冷やせる能力、(2)高級車のように高い快適性、(3)軽自動車や新興市場向けのモデルへの搭載を視野にした小型・軽量化、など要求が細分化している。

日経オートモーティブ 連載