日経オートモーティブ 新車レポート

ホンダは、小型車「フィット」を全面改良し、2007 年10 月26 日に発売した(図)。フィットは2003 年に年間の登録車乗用車販売台数1位をトヨタの「カローラ」から奪い取った実績がある。販売台数の立ち上がりはカローラの「1カ月で3万台」に対してフィットは「2週間で2万台」。もう一度カローラの座を脅かすことができるか。

 最大の特徴であるセンタータンクレイアウトを守ったことをはじめ、一見キープコンセプトに見える。それでも、前のピラーの付け根を先代よりも120mm前に出し、前面窓の面積を20 %広げて視界を改善した。三角窓に至っては面積で3倍大きい。ピラーそのものも20mm細くして前面の視野率で10%向上した。ピラーの付け根を前に出したことによって、前面衝突で入ってくる力をピラーを曲げず、ほとんど軸力だけで天井に伝えることができる。なお、キープコンセプトは既定の路線ではなく、変えることを前提に試行錯誤し、フィットのアイデンティティーと言えるセンタータンクレイアウトまで、白紙に戻すことを検討した上で、元通りに落ち着いたのだという。

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図●新型フィット
これは排気量1.5Lの「RS」。