日経オートモーティブ 新車レポート



高性能4WD(4輪駆動)セダンの代名詞「ランサーエボリューション」が全面改良した(図)。 「ギャランフォルティス」をベースとして、専用のエンジンやサスペンションを装備する。 さらに、DCT(Dual Clutch Transmission)や進化した4WDシステムの採用によって、 だれでも速く走れることを目指し、これまで狙えなかった層を取り込もうとしている。

 2007 年10 月にデビューした三菱自動車の「ランサーエボリューションX」は国産車で初めてDCT を採用した。続いて日産自動車の「GT-R」も同形式の変速機を採用したが、それに先んじた格好だ。
 もう一つ新機軸がある。それは4WD システムを進化させ、「S-AWC(Super All Wheel Control)」と呼ぶ、四つの機能を統合制御する仕組みを取り入れたことだ。ランエボはもともと4WD 技術の“宝庫”だった。ABS、センターデフの差動制限を電子制御する「ACD(Active Center Differential)、 後輪デフの差動制限を電子制御する「AYC(Active Yaw Control)」の三つを備えていた。新型ではさらに「ASC(Active Stability Control)」と呼ぶ横滑り防止装置を装着し、これらを統合制御することで、運動性能を向上させた。

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図●三菱自動車の新型「ランサーエボリューションX」
全長4495×全幅1810×全高1480mmと従来モデルに対して5mm長く、40mm広い。ホイールベースは従来より25mm長い2650mm。