日経オートモーティブ 技術レポート

 富士重工業は2007年10月、ステレオカメラで歩行者などを認識する運転支援システム「ADA」(Active Driving Assist)の次世代型を公開した(図)。2008年に「レガシィ」に搭載して実用化する計画。低速域の「プリクラッシュ・セーフティ・システム」など市街地の機能を強化することで事故の被害を軽減する。

 同社が運転支援システムであるADAを初めて実用化したのは1999年5月。現在までに先行車追従機能や、信号待ちで前車が発進した時に警告する「前車発進モニタ」など、画像処理技術を生かした安全機能を実用化してきた。2003年にはミリ波レーダも併せて用いることで障害物の検知性能を高めた。
 しかしその一方で、他社が対応してきた、障害物との衝突直前に自動ブレーキを作動させて衝突被害を軽減するプリクラッシュ・セーフティ・システムの搭載を見送ってきたほか、機能が多機能化したことで「ユーザーにADAの特徴が伝わりにくくなっていた」(スバル技術本部車両研究実験第3部主査の柴田英司氏)と振り返る。

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図●次世代ADAの公開試験
ステレオカメラで先行車や歩行者を検知して、必要に応じて自動ブレーキを作動させる。