日経ものづくり 幾何公差

最終回:線・面の輪郭度

形状・姿勢・位置をマルチに規制
ASMEは片側公差も指定可能

大林利一
いすゞ自動車 CAE・システム推進部
IDEPグループシニアスタッフ

 最終回となる今回は,輪郭度について解説する。輪郭度には「線の輪郭度」(記号「日経ものづくり 幾何公差」)と「面の輪郭度」(記号「日経ものづくり 幾何公差」)の2種類がある。線の輪郭度は曲面を構成する線要素(輪郭線)のバラつきを2次元の平面的な公差域で規制し,面の輪郭度は曲面(輪郭面)のバラつきを3次元の立体的な公差域で規制する。  幾何公差は,形状・姿勢・位置・振れの4種類に分けられ,前回までに解説したものはそのどれかに属する。しかし,線/面の輪郭度は,形状と姿勢,位置についてマルチに規制できる。曲線や曲面を対象に,データムと関連させないで形状を規制したり,データムと関連させて姿勢や位置を規制したりできるのである。では,それぞれについて具体的に解説しよう。(以下,「日経ものづくり」2007年12月号に掲載

日経ものづくり 幾何公差
図●線の輪郭度で輪郭線の形状を規制
公差域は,図面の投影面に平行な各断面において,半径100mmの理論的に正確な幾何学形状(円弧状の輪郭線)上に中心を置く,φ0.2mmの円が描く二つの包絡線の間となる。実際の(測得)輪郭線は,この公差域内になければならない。

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