日経ものづくり 幾何公差

第8回:位置の公差 II

球の中心点や直方体の中心面も
多様な使い方が可能な位置度

大林利一
いすゞ自動車 CAE・システム推進部
IDEPグループシニアスタッフ

 前回は位置度によって中心線の位置を規制する例を取り上げた。今回は,同じ位置度を使って中心点や中心面,表面の位置を規制する方法について説明する。同心度,同軸度,対称度といった他の位置の公差についても基本的な用法に触れる。
 まず,球面状のくぼみがある形状を例に,形体の中心点の位置を規制する方法について説明しよう(図)。この図例では,球の中心位置を基準となるデータムA,Bで規制している。(以下,「日経ものづくり」2007年11月号に掲載

日経ものづくり 幾何公差
図●球中心への位置度の指示
公差域は,データム軸直線B上でデータム平面Aから30mm離れた位置に中心を置くSφ0.3mmの球形とな る。くぼみを形成する実際の(測得)球の中心は,この中に収まらなければならない。

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