日経ものづくり 速報

登場相次ぐハイテク無電解めっき
超臨界やナノテクでABS以外も対象に

 自動車など多くの分野で省エネルギに対するニーズが高まり,それを実現する手段として軽量化に貢献する樹脂の利用分野が広がっている。それに伴い,樹脂に金属のような外観や導電性を付与するめっきが注目されている。
 そんな中,日立マクセルとアキレスは,無電解めっきの適用範囲を大きく広げる新技術を開発した。いずれも,従来ほとんどを占めていたABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)だけでなく,多種類の樹脂への無電解めっきを可能にしたものだ(図)。日立マクセルは超臨界状態の二酸化炭素(scCO2),アキレスはナノ分散させたPPy(ポリピロール)を活用した。(以下,「日経ものづくり」2007年11月号に掲載


図●耐熱性に優れたPPSへのめっきでリフレクタを試作
日立マクセルはscCO2を利用して,これまで困難だったPPSへのめっきを実現した。(a)の左は scCO2を使って無電解でNi-Pをめっきしたもの。その上に銅(Cu)と銀(Ag)を電気めっきしてリフ レクタを試作した〔(a)の右〕。ABSだと耐熱性が不足してこの用途に使えなかった。(b)は,銀めっ き後の断面を図式化したもの。

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