「2007年8月,薄型テレビ業界に衝撃が走った。商品企画と販売に特化したベンチャー企業,米Vizio,Inc.が北米市場でトップシェアを獲得したと米DisplaySearch社や米iSuppli Corp.が報告したからだ。Vizio社は安さを武器に,自社ブランド品を本格投入し始めてから,たった2年ほどで首位に上り詰めた。同社の2007年第2四半期における出荷台数シェアは11.9%だった(DisplaySearch社調べ,以下同)。

 同時期のシェアを見る限り,日本勢は苦しい。液晶テレビの先駆者で国内メーカーではトップだったシャープの出荷台数シェアはVizio社の2/3。CRTテレビで米国に強力な販路を築いた船井電機もシェアはVizio社と比べて4割少ない。ソニーと松下電器産業に至ってはVizio社に遠く及ばない。シェア6.5%である米Polaroid Corp.の後塵すら拝している。