日本精機

第3回 メータ

安心と感動の二つの軸で進化
瞬間判読性高いHUD

見やすさと意匠性が同時に要求される自動車用メータ。メーカーによって搭載位置 やデザインについての志向は異なる。米GM社、ドイツBMW社、ホンダなどにメー タを供給する日本精機に将来像を聞いた。


 自動車のメータは元々、燃料の量 や走行速度、エンジン回転数、 水温、油圧といった目に見えない情報 を運転者に知らせるのが役割だった。 当然、一目見てわかる視認性の高さが 最も重視されていた。しかし、モータ リゼーションが浸透した1970 年代以 降、運転者が常に目にするメータには 「クルマの表情を作る」役割も課せられ るようになってきた。
 この時代にはメータにもデジタル化 の波が押し寄せる。フランスCitroen 社の「GS」に見られたボビンメータの ような機械式デジタル、1980年代のホ ンダ「シティターボ」のような液晶によ るデジタル表示などが先進的なデザイ ンとしてもてはやされた。
 1990年代には、自動車の電子化に従 って、メータも車内の通信ネットワー クの一部に組み込まれることになる。 2000年以降は運転者支援という役割も 加わった。速度情報だけでなく経路案 内などの必要性が高まり、運転者が必 要とする情報を選択的に伝えるため、 表現技術の多様化が望まれている。

日経オートモーティブ 連載