日経オートモーティブ 連載

BRICsにおける自動車販売・生産 の実態を探る現地レポートの第3 回はブラジル編(下)。2006 年に日本 メーカーとして初めてエタノール燃料 に対応したFFV(Flex Fuel Vehicle) を投入したホンダ。「シビック」「フィッ ト」を生産するスマレー工場を訪ねた。

 「E100 対応車が売れる理由は、リセ ールバリューが高いからです」。ホン ダのブラジル営業担当であるHonda Automoveis do Brasil (HAB)社、上山 英樹氏が困ったような笑顔を見せた。
 ホンダは2006 年11 月、日本車初の FFV(Flex Fuel Vehicle)となる「シビ ック」を販売開始。同年12 月には「フ ィット」の排気量1.4L手動変速機(MT) 仕様にもFFV 仕様を追加した。この 結果、2007 年1 ~ 6 月においては、国 内販売台数で、シビックが全販売台数 の34 %に当たる7000 台、フィットが 20 %に当たる3000 台がFFV となって いる。
 こうした好調な売れ行きは、当初ホ ンダが描いていた青写真とは異なって いる。エタノール燃料の主要産地は、 原料となるサトウキビ畑が多いサンパ ウロ州周辺に集中しており、FFV の 普及率も高いのもこの地域だ。

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サンパウロにある南米事業を統括する Honda South America社