日経オートモーティブ 解説

ESC(横滑り防止装置)は2009年モデルから米国での義務付け により、一気に普及率が高まる。緊急時の横滑りを防ぐESC はブレーキ圧を加圧できる機能が備わることが最大の特徴で、 それを生かせば平常時の利便性や燃費、運動性能も向上でき る。ESCの新しい使い方を探る。

 2007年8月、ホンダは全面改良した 米国仕様の新型「アコード」(図)を発 表した。2008年モデルとして9月中旬 から発売するアコードは、セダン、ク ーペともにデザインを刷新したほか、 6個のエアバッグに加えて、アクティ ブヘッドレストやESCを標準装備して 安全性を高めたのが特徴だ。
 ESCは車両が横滑りしたときなど、 車両の挙動が不安定になると、各輪の ブレーキ圧を調整して車両を安定化さ せるもの。これまでアコードは排気量 3.0LのV型6気筒エンジン搭載モデル と、2.4Lの直列4気筒モデルのうち、 V6モデルにだけESCを設定していた。 新型は2.4Lモデルと3.5Lモデルとなる が、全車に標準とした。
 搭載するESCは、従来より軽量・小 型化した日信工業の「NK21V」と呼ぶタ イプ。緊急時にブレーキ圧を高めるブ レーキアシスト機能はそのままに、従 来の2.5kgから2.0kgに20 %軽量化し、 現在ある製品では最小クラスとなる。

日経オートモーティブ 解説
図●ホンダの北米仕様 「アコード」
全車に新開発のESCを標準装 備する。