日経オートモーティブ 解説

2組のクラッチを切り替えることで素早く変速する新世代の自動変速機「DCT」。 ドイツVolkswagen社が「DSG」として実用化してから4年、 世界の自動車メーカーが一斉に採用へと動き始めた。 日本で、欧州で、そして米国で、一気に採用が拡大する勢いだ。 その魅力と進化を探る。

 ドイツVolkswagen社(以下VW)が 量産車への搭載で先鞭をつけたDCT (Dual Clutch Transmission)。いよい よ日本車へも搭載が始まる。三菱自動 車が2007年7月、「Twin Clutch SST (Sport Shift Transmission)」と呼ぶ DCTを2007年秋に発売する高性能ス ポーツセダンに搭載すると発表したか らだ(図)。
 この“高性能スポーツセダン”が「ラ ンサーエボリューションX」を指すの は公然の秘密。搭載するDCTはドイ ツGetrag Ford Transmission社製だ。 日産自動車も、同じく2007年秋に発売 する新型「GTR」でDCTを採用するこ とが確実視されている。GTR向けの DCTは愛知機械工業製になるとみら れており、実現すれば初の国産DCT となる。ただ、その詳細は現時点では 明らかになっていない。

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図●三菱自動車の「ツインクラッチ SST(Sport Shift Transmission) 」