日経ものづくり 特報

「価格・性能」「活用技術」
「脱石油・環境」で新展開

バイオプラ--ポリ乳酸の実力

トヨタ自動車が多数の部品を試作し,米社が量産を開始してから数年。 脱石油とCO2削減の環境性能で注目を集めるポリ乳酸だが, 本格普及には至っていない。ところが今,新たな展開が見え始めた。 米社の独占だったベースポリマ製造に帝人や中国メーカーが参入。 課題である価格と樹脂物性の改善に向け,基盤が整いつつある。

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 帝人は2007年9月12日,独自技術 で耐熱性を高めたポリ乳酸の 量産計画を発表した。同社の計画は, まず2008年度の上期に年産数百tの設 備を稼働させ,早ければ2010年に年産 数千t体制を整備するというもの。しか も「これは一つのステップ」(帝人グルー プ常務執行役員の谷田部俊明氏)に すぎない。同社は年産10万t規模を想 定して動き始めている。
 同日,マツダは帝人・帝人ファイバー と共同開発した,ポリ乳酸繊維の自動 車用シート向け素材を「第40回東京 モーターショー2007」に参考出品する 「プレマシーハイドロジェンREハイブ リッド」に採用することを明らかにした (図)。この車両は,2008年にリース販 売を開始する予定で,マツダはその車 両への採用も検討している。(以下,「日経ものづくり」2007年10月号に掲載


図●耐熱性を高めたポリ乳酸を使った自動車 用シート
マツダ,帝人・帝人ファイバーが共同開発した。マツダの 要求性能をすべて満足している。

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