南川 明
アイサプライ・ジャパン副社長,主席アナリスト/ジャパンリサーチ

 ここ1~2年,基幹事業のいくつかで市場シェアの低下に悩んでいた韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.が反転攻勢に転じ始めた。2007年第1四半期に全社の売上高営業利益率が10%を切ったことなどをきっかけとして,大規模な経営改革に踏み切ったのである。経営体制を見直したことに加え,現在は間接部門の人員削減などを中心とした大リストラを敢行中である。その一方で,技術部門やマーケティング部門の強化に動いている。こうした施策が功を奏する形で,NANDフラッシュ・メモリなど一部の製品では早くも成果が出始めている。

 Samsung社がここ1~2年で市場シェアを落とし始めているのは, NANDフラッシュ・メモリ,DRAM,液晶ドライバIC,CMOSイメージ・センサである。